2015/02/26  「京大(文系)入試問題について」

こんにちは。国語の田中です。
国公立前期試験も終わり、受験生のみなさんもようやく一息ついたことでしょう。
自分の力は出し切れましたか?

今日は今年の京大(文系)の問題について、お話をしてみようと思います。

今年の問題は、1現代文・阿部昭「短編小説礼讃」、2現代文・里見弴「私の一日」、3古文・「うつほ物語」でした。
今年は現代文が1、2ともに昨年度に比べ文章が短くなっており、読みやすい文章でしたね。
しかし文章が読みやすいからといって、簡単に設問に答えられるわけではないのが、京大の難しいところ。
例えば1の現代文は、短編小説について述べられた文章ですが、問1で『ただ長い物語を短くしたものが短編ではない』という文中表記について、筆者がなぜこのように述べているのかを説明させる問題が出ました。
実はその後に、具体例を挙げながら筆者がその理由を説明しているのですが、そこを表面上なぞっただけではほとんど説明したことにはなりません。
その具体例を①かみ砕いて自分の中で理解し、②自分の言葉で翻訳し直して、なおかつ③簡潔に解答用紙に書き付ける、という作業が必要になります。
特に②自分の言葉で翻訳し直すというところに、京大の設問の難しさと奥深さがあると私はいつも思います。
もちろん他の国公立大学でも②の作業は必要なのですが、京大の場合、そのレベルの高さから、より的確で、より簡潔な語句をひねり出す事が必要になるのです。
これは普段から様々な文章語句に慣れていることが大事なのは言うまでもないですが、自分でいろんな文章を書く事に慣れているかどうかも大きいと思います。
なかなかすぐに出来るようにはなりません。
京大を受験したいと思っている高2・高1生のみなさん、今からそのことを念頭に置いて、いろんな本を読むことをお勧めします。
そして、自分の言葉で書く練習をしていきましょう。
最初は日々の、なにげない所感でもいいと思いますよ。
書かないより全然マシだと思います。
次回も、今年の入試問題からお話をしてみようと思います。

では。

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